ここは草原です

草原ではいろんなひとがいろんなことをおしゃべりします

 

納得していないひとたちは、大きな竹の子やパプリカの入ったグリーンカレー、わさび菜や甘いトマトとあらいひき肉で作ったタコライスを食べた。りんごジュースにアイスティーものんだ。突然の大雨もナイスタイミングというように声をあげて楽しんだ。納得していないひとたちは、梅酒をのみビールをのみピーチジンジャーエールをのみハイボールをのんだ。水もそれ以上にたくさんのんだ。納得していないひとたちは、どちらかというとバスを好みどちらかというと本を眺めておしゃべりすることを好んだ。花火の打ち上がる音が怖いと言うものと、あんなおとが真似して身体からだせたらいいのにと思うものがいてそれでも暗闇で風にながれる火花のすがたをそれぞれの思うようにまたおしゃべりに変えていく。

 

ドキュメンタリー映画の中で笑いながらしずかに泣いている子供をみる。

声にする言葉は少なく、何度も何度も質問に答える場所で笑って一瞬続けて笑うように泣いてまた笑っていた。側にいたもうひとりの子は大人にむかってあっさりと淡々となにかを話している。カメラを意識してすこしおどけているようにも見える。ふたりはお互いに目を合わせない。わたしも静かにそれをみている。みているだけで泣いてもいないし笑ってもいない。心はどうだか知らない。言葉というものがますますわからなくなる時間。